卒業論文を書くときには参考文献を書く必要があります。しかし、参考文献と言われても一体何を書いたら良いのか、どうやって書いたら良いのかよくわからないと感じる人もいるかもしれません。ここでは、卒業論文を書くときに必要な参考文献の書き方について紹介していきます。
1.参考文献の書き方
まず、参考文献の書き方は学問分野によって異なりますし、大学によって書き方が決まっていることもあります。特に修士論文や博士論文では参考文献の書き方が大切なので、大学ごとに指定があることもありますから、まずは指導教員に確認しましょう。
学問分野の違いとしては、問えば応用物理学会と日本社会学会では書き方が異なります。理系と文系で書き方が違うとはよく言われていますが、例えば応用物理学会や日本社会学会の場合、このような書き方になります。
応用物理学会
山田太郎:応用物理 72,221(2005).
日本社会学会
山田太郎, 2005, 『応用物理』72: 221.
どちらも著者を最初に書きますが、応用物理学会は著者:誌名, 巻, ページ, (年).の順に書いていきます。それに対し、日本社会学会では著者, 年, 『誌名』巻: ページ.の順になります。カンマやコンマも忘れないように書かなければいけません。
しかし、だからといって理系が全て応用物理学会と同じように書くわけではありませんし、文系がすべて日本社会学会と同じように書くわけではありません。そのため、参考文献を書くときには必ず指導教員に確認しましょう。
2.どのような部分を参考文献にするのか
卒論を書くときには、先行研究を引用しなければならないことがあります。例えば、「この研究者はこのように述べている」などと、研究者とその研究内容を言及する場合は参考文献を書いた方が良いでしょう。
また、先行研究から引用するわけではなくても、その文を書くに当たってヒントとなった文献があるなら、それは参考文献として記載しておいた方が良いでしょう。どの文献をヒントとしてそのような考えに至ったのか、自分の考えを書くわけでは無いなら、それがどの研究者のどの書籍からヒントを得たものなのかまとめておきましょう。
参考文献は多くなっても構いません。参考文献を記載しておかなければ、それは盗用になってしまいますので、むしろ参考文献が全然ないほうがおかしいといえます。他の研究者の書籍等を参考文献なしで引用してしまえば、それは著作権の侵害になりますので、ヒントとなったものがあるなら必ず参考文献に書いておきましょう。
3.原文の参考文献を書く
もしも外国語で書かれた書籍を利用するのであれば、原文の書籍のページ数などを記載しましょう。中には日本人によって訳された研究書もありますが、訳された研究書ではなく、原文を理解しておく必要があります。自分の図書館に原文が置かれているかどうかチェックし、置かれていない場合は他の大学や市町村、都道府県の図書館をチェックしてみましょう。自分の大学の図書館だけではなく、他の大学の図書館もチェックし、近場ならば足を運んでみると良いです。
遠い大学の場合は大学の図書館を通じて取り寄せてもらうことも可能ですが、その場合は手数料や送料がかかります。しかし、近場の大学であれば交通費だけで済みますので、時間もお金もかかりません。ただし、他の大学の図書館は必要に応じて紹介状などを持参しなければ入れてもらえないこともありますので、他の大学の図書館を訪れる場合は必ず自分の大学の図書館で確認しておきましょう。
ただし、どうしてもオリジナルが古すぎて文献が手に入らないこともゼロではありません。そのような場合、どのように参考文献を記載したら良いのか指導教員に確認してください。
4.孫引きはしない
参考文献を孫引きはしてはいけません。これは、研究者が自分の書籍の中で他の研究者の研究内容を言及している場合、その部分を取り出してはいけないということです。研究者が他の研究者の研究内容について述べているのであれば、その述べられている研究者の書籍そのものをチェックする必要があります。研究者が他の研究者の研究内容について述べているところを引用してしまうと、それは孫引きになり、参考文献としては認められません。研究者の研究内容について触れる場合は、必ずオリジナルをチェックしましょう。それは言語に関係なく、日本語でも同じことです。
どうしてもオリジナルが見つからない場合は指導教員に確認してください。
5.参考文献は卒論のページ数や文字数に加えない
参考文献は卒論に必要なページ数や文字数には加えないでください。参考文献を書く場合は新しいページに移ります。例えば、卒論が20ページなのであれば、参考文献は21ページ目になります。たとえ20ページの最後のページが1行しか書かれていなかったとしても、参考文献は次のページから書き始めてください。