卒論のアブストラクトの書き方は?

卒論のアブストラクトの書き方:読まれる要約を作るコツ
卒業論文(卒論)を書くうえで、意外と重要なのが「アブストラクト(要旨)」です。
アブストラクトは、論文の内容を短く要約したもので、教授や審査員が最初に目を通す部分です。
ここでうまくポイントを押さえられないと、せっかくの研究成果が正しく伝わらない可能性があります。
そこで今回は、「卒論のアブストラクトの書き方」について、具体的な手順やコツを解説します。

1. アブストラクトの役割とは?
アブストラクトは、卒論全体の要点を簡潔にまとめたものです。
学術論文では標準的に用いられる構成要素であり、以下のような目的があります。

論文の概要を伝える
→ 研究の目的、方法、結果、結論を端的に示す。
読者に興味を持たせる
→ 研究がどんな価値を持つのかをアピールする。
他の研究者にとっての参考資料となる
→ 同じテーマを研究する人が、素早く情報を得られるようにする。
一般的にアブストラクトは200~300文字程度(英語なら150~250ワード)で書くのが標準です。
ただし、大学や学部のルールによって文字数の指定がある場合もあるため、事前に確認しましょう。

2. アブストラクトの構成
アブストラクトは、以下の5つの要素で構成するのが一般的です。

研究の背景(Introduction)
→ なぜこの研究を行ったのか?(研究の動機や課題)
研究の目的(Objective)
→ 何を明らかにするのか?(研究の狙い)
研究方法(Method)
→ どのように研究したのか?(データ収集、分析方法など)
研究結果(Results)
→ どんな成果が得られたのか?(主要な結果や発見)
結論(Conclusion)
→ 研究の意義や今後の展望は?(研究の貢献や課題)
たとえば、「大学生のスマートフォン利用が学業成績に与える影響」をテーマにした場合、
アブストラクトは以下のようになります。

【サンプルアブストラクト】
本研究は、大学生のスマートフォン利用が学業成績に与える影響を明らかにすることを目的とした。
調査対象は国内の大学生300名であり、スマートフォンの使用時間や学習時間を調査した。
統計分析の結果、スマートフォンの利用時間が長い学生ほど、成績が低い傾向にあることが示された。
特にSNSの使用頻度が高い学生ほど、学習時間の減少が顕著であった。
本研究は、大学生のデジタルデバイスの適切な活用方法を考えるうえで、有益な知見を提供するものである。

3. アブストラクトを書く際のポイント
① 簡潔にまとめる
アブストラクトは要約であるため、冗長な説明を避けることが重要です。
「~と思われる」「~のような気がする」などの曖昧な表現も避け、端的な表現を心がけましょう。

NG例:
本研究では、スマートフォンの使用が学業成績に影響を与える可能性について、
いくつかのデータをもとに検討し、分析を試みた。

OK例:
本研究は、スマートフォンの使用が学業成績に及ぼす影響を統計的に分析した。

② 専門用語の使いすぎに注意
専門用語を多用しすぎると、読者にとって理解しにくい文章になってしまいます。
特に学部生の卒論では、教授以外の人が読んでも理解できるように書くことが大切です。

NG例:
本研究では、多変量解析を用いて学習習慣の潜在的因子を抽出し、回帰分析を実施した。

OK例:
本研究では、統計分析を用いて学習習慣と学業成績の関係を明らかにした。

③ 研究の新規性や意義を明確にする
アブストラクトの最後には、「なぜこの研究が重要なのか?」を示しましょう。
研究の意義を強調することで、読者にとっての価値が伝わりやすくなります。

NG例:
本研究では、スマートフォンの使用と学業成績の関係を調べた。

OK例:
本研究は、スマートフォンの使用が学業成績に与える影響を明らかにし、
デジタルデバイスの適切な活用法について示唆を与えるものである。

4. アブストラクトのチェックリスト
アブストラクトを書いたら、以下のポイントをチェックしてみましょう。

✔ 研究の背景、目的、方法、結果、結論が明確に示されているか?
✔ 200~300字程度に収まっているか?
✔ 余計な表現や曖昧な言葉を使っていないか?
✔ 専門用語が多すぎず、誰でも理解できる内容になっているか?
✔ 研究の意義や貢献がしっかり伝わる内容になっているか?

まとめ
アブストラクトは、卒論の「顔」ともいえる重要な部分です。
ここを的確にまとめられるかどうかで、研究の印象が大きく変わります。

✅ 研究の背景、目的、方法、結果、結論を端的にまとめる
✅ 専門用語を多用せず、簡潔でわかりやすい表現を心がける
✅ 研究の意義をしっかり伝える

この3つを意識して書けば、説得力のあるアブストラクトが完成します。
卒論を書く際は、ぜひこの記事を参考にしてみてください!